Illustratorで影を付ける方法

2025年 3月 7日 Posted 野々瀨(フロントエンドエンジニア)

Illustratorで影を付けたいとき、どうやって付けたらいいのか少し分かりづらかったりします。ここでは手順が少ない簡単な影の、さまざまな付け方をご紹介しようと思います。

環境

本記事で説明しているアプリケーションはIllustrator 2025を環境としています。

外側に影を付ける

外側に広がる影を付けるには、幾つかの方法があります。

方法1:ドロップシャドウ

影を付けたいオブジェクトを選択します。

メニューから[効果]→[スタイライズ]→[ドロップシャドウ]を押します。

各項目を指定し、「OK」ボタンを押します。

項目説明
描画モード 背面との混合(合成)効果を指定します。
不透明度 影の不透明度を0~100%の間で指定します。不透明度なので0%に向かうと薄く、100%に向かうと濃くなります。
X軸オフセット オブジェクトから水平方向にどれだけ離すかを整数で指定します。正の数で右方向、負の数で左方向に移動します。
Y軸オフセット オブジェクトから垂直方向にどれだけ離すかを整数で指定します。正の数で下方向、負の数で上方向に移動します。
ぼかし 影のぼかし具合を0以上の値で指定します。
カラー 影の色を指定します。
濃さ 影の色はオブジェクトの背景色を基準とします。そこから黒に向かった濃さを1~100%の間で調整します。

これで完成です。

方法2:複製と移動

影を付けたいオブジェクトを選択します。

選択したオブジェクトを複製します。

複製したオブジェクトのレイヤーが下のオブジェクトを選択します。

位置を調整します。

塗りの色や不透明度を調整します。

これで完成です。

方法3:光彩

影を付けたいオブジェクトを選択します。

メニューから[効果]→[スタイライズ]→[光彩(外側)]を押します。

各項目を指定し、「OK」ボタンを押します。

項目説明
描画モード 背面との混合(合成)効果を指定します。
不透明度 影の不透明度を0~100%の間で指定します。不透明度なので0%に向かうと薄く、100%に向かうと濃くなります。
ぼかし 影のぼかし具合を0以上の値で指定します。
カラー 影の色を指定します。
濃さ 影の色はオブジェクトの背景色を基準とします。そこから黒に向かった濃さを1~100%の間で調整します。
境界線 光彩をどこから開始するかの指定です。「境界線」を選択します。

これで完成です。

方法4:グラデーション

この方法では長方形のオブジェクトを例にご紹介します。

ツールから形状である「長方形」ツールを押します。

影を付けたい箇所に、影用のオブジェクトを作成します。

ショートカットキーGキーを押すか、ツールから「グラデーション」ツールを押します。

グラデーションパネルを開き、各項目を指定し、オブジェクトの選択を解除します。

項目説明
種類 グラデーションの形状を選択します。「線形グラデーション」を押します。
角度 どの方向へ向かってグラデーションを描画するかを角度で指定します。「90%」を指定して垂直に下から上へ向かったグラデーションにします。
グラデーションバー グラデーションの混合するポイントと色を指定します。
不透明度 グラデーションバーの各ポイントの不透明度を指定します。グラデーションバーからポイントを選択して指定します。
位置 グラデーションバーの各ポイントの位置を指定します。グラデーションバーからポイントを選択して指定します。

これで完成です。

なお、グラデーションを円形にすることで、浮いた表現にすることもできます。

内側に影を付ける

内側に広がる影を付けるには、幾つかの方法があります。

方法1:マスク

影を付けたいオブジェクトを選択します。

選択したオブジェクトを複製します。

複製したオブジェクトを選択します。

塗りを「なし」にし、線を付けます。線の位置を「線を外側にそろえる」にします。

一番最初に選択した(複製元)オブジェクトをもう一つ複製します。複製したオブジェクトを、レイヤーパネル上で親のレイヤー内の一番上に移動します。

レイヤーパネルから親レイヤーを選択し、「クリッピングマスクを作成」ボタンを押します。

このようにすることで、クリッピングマスク内の影は外側に表現されず、マスク内のみで表現されますので、影を内側に付けることができます。

https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/default-keyboard-shortcuts.html

方法2:ベベル

影を付けたいオブジェクトを選択します。

メニューから[効果]→[3Dとマテリアル]→[押し出しとベベル]を押します。

「オブジェクト」の各項目を指定します。

項目名説明
3Dの種類 3Dの表現を行う種類を選択します。「押し出し」を選択します。
奥行き 押し出す距離を指定します。
ねじり 」を指定します。
テーパー 100%」を指定します。
キャップ
ベベル:ベベルの形状 ベベルの形状を指定します。「クラシック」を選択します。
ベベル:幅 100%」を指定します。
ベベル:高さ 100%」を指定します。
ベベル:繰り返し 1」を指定します。
ベベル:内側にベベル チェックを付けます。
回転:プリセット 回転のX軸、Y軸、Z軸、遠近感があらかじめ設定・保存された内容を選択します。「自由回転」を選択します。

これで完成です。

方法3:光彩

影を付けたいオブジェクトを選択します。

メニューから[効果]→[スタイライズ]→[光彩(内側)]を押します。

各項目を指定し、「OK」ボタンを押します。

項目説明
描画モード 背面との混合(合成)効果を指定します。
不透明度 影の不透明度を0~100%の間で指定します。不透明度なので0%に向かうと薄く、100%に向かうと濃くなります。
ぼかし 影のぼかし具合を0以上の値で指定します。
カラー 影の色を指定します。
境界線 光彩をどこから開始するかの指定です。「境界線」を選択します。

これで完成です。

方法4:グラデーション

影を付けたいオブジェクトを選択します。

選択したオブジェクトを複製します。

ショートカットキーGキーを押すか、ツールから「グラデーション」ツールを押します。

グラデーションパネルを開き、各項目を指定し、オブジェクトの選択を解除します。

項目説明
種類 グラデーションの形状を選択します。「円形グラデーション」を押します。
グラデーションバー グラデーションの混合するポイントと色を指定します。
不透明度 グラデーションバーの各ポイントの不透明度を指定します。グラデーションバーからポイントを選択して指定します。
位置 グラデーションバーの各ポイントの位置を指定します。グラデーションバーからポイントを選択して指定します。

これで完成です。

なお、グラデーションツールで範囲を広げたり位置を移動したりすることで、影の範囲や大きさを調整することができます。

正反射(鏡面反射)

正反射(鏡面反射)として影を付けるには、幾つかの方法があります。ここではテキストのオブジェクトを例にご紹介します。

方法1:マスク

影を付けたいオブジェクトを選択します。

選択したオブジェクトを複製します。

複製したオブジェクトを右クリックし、コンテキストメニューから[変形]→[リフレクト]を押します。

リフレクトの軸の「水平」を選択し、「OK」ボタンを押します。

ツールから形状である「長方形」ツールを押し、複製・反転したオブジェクトの上に同じ寸法の長方形オブジェクトを作成します。

作成した長方形オブジェクトを選択します。ツールから「グラデーション」ツールを押し、グラデーションパネルの各項目を指定します。

項目説明
種類 線形グラデーション」を押します。
角度 「-90%」を指定して垂直に上から下へ向かったグラデーションにします。
グラデーションバー 開始(上)を白色、終了(下)を黒色に指定します。

透明パネルを開き、「マスク作成」を押します。

これで完成です。

なお、グラデーションの不透明度や反転したオブジェクトの位置を調整したり、形状を変形させたりすることで、少し変化を加えることもできます。

方法2:グラデーション

影を付けたいオブジェクトを選択します。

選択したオブジェクトを複製します。

複製したオブジェクトを右クリックし、コンテキストメニューから[変形]→[リフレクト]を押します。

リフレクトの軸の「水平」を選択し、「OK」ボタンを押します。

反転したオブジェクトを右クリックし、「アウトラインを作成」を押します。

パス化された文字のオブジェクト全てを選択します。

ツールから「グラデーション」ツールを押し、グラデーションパネルの各項目を指定します。

項目説明
種類 線形グラデーション」を押します。
角度 「90%」を指定して垂直に下から上へ向かったグラデーションにします。
グラデーションバー 開始(下)と終了(上)の色を影の色に指定します。
不透明度 開始の不透明度を0%、終了の不透明度を70%などに指定します。

これで完成です。